だが、俺が入ったのは理系の大学。
当然ながら女の子は少ない。
と言ってもバリバリの工学系って訳でもなかったから、
男女比は3:1くらいだったけど。
小さい頃から歌を歌うのが好きだったので、軽音楽サークルに入部。
歌うのが好きとは言っても、恥ずかしくて人前で歌ったことは殆ど無かった。
でも、自分の好きなことを思いっきりやってみたい、
ここでハジけなきゃずっとつまらない生活が続くんだ、と勇気を振り絞った。
「ボーカルをやりたい!」と言ったら、
なんだかんだでメンバーが集まり、コピーバンドを結成。
文化祭とかのイベントでライブをやった。
楽しかった。俺今青春してる!って感じだった。
しかし、こと恋愛に関してはこれまでと変わらず。
女の比率が少ないから、顔が残念でもモテるし、
別れたと思ったらすぐ他の男とくっつくのが日常茶飯事。
サークル内で穴兄弟が増えていくのを第三者視点で眺めて、
「この中に入るのは嫌だなあ」と思っていた。
大学2年の時。
サークルの勧誘活動に奔走した結果、けっこうな人数が入部した。
その中でけっこう可愛い子がいた。
名前を香織(仮) とする。
ほんのり茶髪のストレートで、スタイルもいい。
愛想も良く、天然ボケ属性も持っている。
女に慣れていない俺はすぐに惹かれてしまった。
香織とは音楽の趣味が似ていたので、
自分の持ってるCDを貸したり、逆に貸してもらったりした。
そんなことだけでも、香織に近づけているようですごく嬉しかった。
香織と出会って半年くらい経った頃、
聞くに聞けなかった、そして知りたくなかった情報を同級生の女の子から聞いた。
香織には、付き合って2年くらいの彼氏がいるらしい。
25、6歳くらいの社会人。
俺は煩悶した。
彼氏の風貌なんて当然分からないが、
スペックを聞いただけで負けた気がした。
年も上だし、社会人なら金も持ってるだろう。
そして何より、俺は自分に自信がなかった。
その数日後、俺は香織を食事に誘った。
そして香織が好きだと告白した。
答えは当然ノー。
あわよくばなんてものは期待していなかった。
自分の気持ちにケリをつけるための、自分勝手な告白。
俺の何度目かの恋は散った。
バンド活動は相変わらず楽しかったが、
俺以外のバンドメンバーがみんな彼女持ちだったこともあり、
彼女がいないことに対して焦りが出てきた。
でも、サークル内で彼女を作る気は起きなかったし、
サークル以外の人付き合いが殆ど無かったので、
学内の他の女の子と、という選択肢も無かった。
そんな時、家でダラダラとPCをいじっていて閃いた。
「そうだ、ネットがあるじゃないか」と。
ちょうどその頃、以前毎日巡回していた、気になるサイトが会ったのを思い出した。
↑サイトに登録しなくてもログインメンバーや日記が見れたので写メ見てニヤニヤしてた。
完全無料なら試しにやってみようと登録。
童貞だった俺の勝手な理論だが…
mixiやSNSで出会えるような女はとんでもなくビッチで童貞の俺がどうこうできる相手じゃないこと
イケメンやコミュ能力の高いやつじゃないとまず無理な世界だと思ってる。
逆に、ハッピーやわくわくなどの有名な出会い系は競争率が高くてこれもいけてない俺としてはだめ。
写メを第一に求めるビッチの巣窟に凸してもまず返信はない…
ひっかけれたとしてもデリヘルの営業か売春目的のビッチぐらいだと思う。
更に聞いた事ないような名前の出会い系は危険すぎてもっとだめ!
個人情報抜かれて、色んな会社から訳のわからないメールが大量に送られてくるのが目に見えてる。
↑ここだけの話経験済み…
だが童貞の俺でも輝ける場所が一つだけある。
それが出会い関連の掲示板。
有名サイトより会員数は確実に劣るがかなりの穴場だ!
俺が利用したのは人妻密会掲示板というところだ。
める友掲示板なんかも登録してみたが、返信率はかなり高かった。
近場のやつが中々いないのが難点だが。
あと、める友はホントにメール目的ばっかりw
理論はこれぐらいにして本題に戻る。
モロ顔写真はさすがに怖いので、目の辺りだけの写メを撮り、プロフもきちんと設定した。
検索して、住所が近い人にメールを送ったが、
無反応だったり、ちょっとメールが続いてもすぐフェードアウトだったり。
なかなかうまくいかないなーと思っていたら、知らない人からメールが来た。
名前は風貌から曜子(仮) ってことで。
住んでるところはちょっと遠かったけど、
メールが来たのが嬉しくて、頑張ってメールのやりとりをした。
世間話や音楽の話をして、けっこう盛り上がった。
この時点で、曜子に3歳になる子供がいることを知った。
サイトっていうのが人妻向けのやつね(笑)
メールを始めて2週間くらい経った頃、
「サイト経由だとめんどくさいから」という曜子の提案でメアド交換。
そこから携帯メールでのやり取りになり、
やがて、PCも使っているということで、スカイプIDを交換した。
初めてのスカイプ通話は緊張した。
曜子の声は少し大人びていて、
「ああ、年上なんだなあ」と改めて思った。
あまり女っぽくないさばさばとした話し方だったので、
女慣れしていない俺でもけっこう気楽に話ができた。
サイトでは公開していなかった顔写真の写メをこの時もらった。
二重まぶたの大きい目が印象的だった。
スカイプでの通話も慣れてきた頃、
家での料理の話になった。
当時俺は一人暮らしで、自炊もほとんどしてなかったので、
「実家の手料理が恋しい」とかそんな話をしたと思う。
すると、曜子から予想外の言葉が飛び出した。
曜子「料理作りに行ってあげようか?」
(え、それってつまり家に来るってこと?
いやでも距離もけっこうあるし)
俺は動揺した。
俺「・・・本気?」
曜子「本気も本気だよw」
俺「いや悪いよ、けっこう遠いし」
曜子「いいのいいの、俺君にちゃんとしたもの食べてもらいたいし」
俺「いやでも・・・」
曜子「あたしの料理食べたくないの?」
俺「・・・食べたいです」
曜子「よし!w」
逡巡したものの、曜子に会ってみたい気持ちが勝った。
そして、もしかしたらもしかするんじゃないかという気持ちもあった。
予定を話し合って、曜子が外出できる日に俺のアパートへ来ることになった。
当日。
部屋の掃除を済ませ、最寄り駅に曜子を迎えに行った。
そわそわしながら待っていると曜子から電話が来た。
曜子「今着いたよー、どこ?」
俺「駅前の喫煙所辺り」
曜子「えーと、あ、いたいたw」
駅からこちらに向かってくる女性が一人。
顔を事前に知っていたのですぐ分かったけど、
想像していたよりちょっとぽっちゃりしてた。
曜子「初めまして!」
俺「は、初めまして」
曜子「・・・緊張してる?w」
俺「そりゃしますよ」
曜子「なんで敬語なのw」
俺「いやその」
曜子「普段通りタメ口でいいよw」
挨拶を済ませた後、近くのスーパーへ。
作る料理はシチューと肉じゃが、と事前に決めていた。
変な組み合わせだけど、
冬に差し掛かった頃で寒かったのと、
いかにも手料理って感じの物を、と要望した結果だ。
曜子「野菜けっこう高いなー」
俺「地域によって値段違うもんなの?」
曜子「店によってじゃない?普段はチラシ見て安い所に行ってる」
俺「へー」
そんな会話をしながら、買い物かごにポンポン商品を入れていく。
俺「さすが普段買い物してるだけあるなあ、スムーズだ」
曜子「だろーw」
野菜やら肉やらもろもろ材料を買って、いよいよアパートへ。
家に上がる時はさすがにそわそわした。
曜子「おじゃましまーす、おおけっこうキレイだ」
俺「そりゃ掃除したから」
曜子「エロ本はどこかなー?(押し入れガラッ) 」
俺「やめてw」
エアコン入れて少し暖まった後、料理開始。
「テレビでも見てゆっくりしてて」と言われたけど、
手持ち無沙汰になって仕方無いので、
じゃがいもの皮むきとかを少し手伝った。
そんなこんなで料理完成。
曜子「おまたせしましたっ」
俺「おー、手料理だ」
曜子「なんか反応悪いなw」
俺「いやいやこれでも感動してるんだって」
曜子「そう?じゃあ食べよう!いただきます」
俺「いただきます」
さすがに普段やっているだけあって、
曜子の料理はとてもうまかった。
シチューはちょっと多めに作ってあったけど、
2回おかわりしたおかげでほとんどなくなった。
俺「ごちそうさまでした」
曜子「おそまつさまでした」
俺「いやーおいしかった、満足満足」
曜子「そう言ってもらえると作った甲斐があったよw」
その後、コタツで暖を取りながらしばらく談笑した。
配置は、俺を正面として左側の面に曜子がいる状態。
直接顔を合わせるのは初めてということもあり、
「想像してたのと違った」とか、そんな話をした。
音楽の話で一通り盛り上がった後、
まったりとした空気になり、会話が途切れた。
「ああ、こういうのんびりした雰囲気いいなあ」と思っていると、
曜子がふと俺の左手を取った。
曜子「手、キレイだね」
俺「そう?」
曜子「家事してると手が荒れちゃってねー」
俺「水仕事は手のケアが大変だって聞くね」
曜子「そうなんだよー」
そこでまた会話が途切れた。
しばらく沈黙が続く。
さっきまでのまったりした空気から、何か変わった気がした。
ふと我に返ってみれば、部屋に女性と二人きりだ。
こんな状況、これまでの人生で一度も無い。
経験の無い雰囲気に戸惑っていると、
俺の手を取ったまましばらく固まっていた曜子が、
ゆっくりと頭を下げ、手の甲にキスをした。
心拍数が跳ね上がる。
曜子は、手の甲へのキスを何度か繰り返した後、
ゆっくりと顔を上げ、俺の顔を見た。
目が少し潤んでいるように見える。
すっとコタツから出て、俺の隣に座ってきた。
そして改めて、俺の顔を見つめてくる。
(これは、あれか?そういうことなのか?)
心臓がバクバク言っているのが分かる。
少し躊躇ったが、意を決して顔を寄せ、
曜子にキスをした。
唇を合わせるだけのキス。10秒くらいだろうか。
ゆっくり顔を離して曜子を見る。
曜子「やっとしてくれた。手にチューした甲斐があったよw」
はにかむような笑顔を見て、理性が吹っ飛んだ。
改めて、曜子とキスを交わす。
何度目かのキスで、舌を絡ませてきた。
ディープキスのやり方なんて当然知らないので、されるがまま。
キスってこんなに気持ちいいものなのか、と思った。
この時点で、もう俺の息子は臨戦態勢だった。
キスをしながら、おそるおそる曜子のおっぱいに手を触れてみる。
服の上からでも大きいのが分かった。
カップ数なんてものは知らないけど、
手の平に収まるかどうかってくらいの大きさ。
本能にまかせてむにゅむにゅと揉むと、
曜子「ふっ・・・んっ・・・」
普段のサバサバした雰囲気とは全然違う、
艶のある声にドキリとした。
しばらくキスとおっぱいの愛撫を続けて、
ちょっと疲れてきた頃に、どちらからともなく唇を離した。
曜子「・・・ベッド、行こ?」
俺「うん」
曜子「できれば電気暗くしてくれると嬉しいなー、なんてw」
電気を豆電灯だけの状態にして、ベッドに移る。
シングルベッドに2人なのでちょっと狭い。
さて、ここからは完全に未知の領域だ。
うまくできる自信なんてない。
それならば、と俺は正直に告白することにした。
俺「曜子さん、実はですね」
曜子「ん?なあに?」
敬語に対してのツッコミがない。空気を読んでるのか。
俺「俺、初めてなんです」
曜子「そうなんだ」
俺「だからうまくできるかどうか」
曜子「大丈夫、私がエスコートしてあげるからw」
俺「よろしくお願いします」
曜子「まかせなさいw」
ドンと胸を叩く、そのおどけたような反応を見て、
大分気が楽になった。
②に続きます
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